介護が必要になったとき、まず気になるのが「いくらかかるのか」です。特養(特別養護老人ホーム)、介護付き有料老人ホーム、グループホーム、サ高住、ヘルパー、ショートステイ。介護の種類によって、費用は大きく変わります。

アイメトリカは、厚生労働省「介護給付費等実態統計」の最新版(令和7年度、2026年9月30日公表)から、介護の種類ごとに1か月あたりの費用を集計しました。介護保険の費用に加えて、食費・居住費・家賃・おむつ代など介護保険以外にかかる費用も、公的な資料をもとに整理しています。

調査の方法

  • 介護保険の費用:厚生労働省「介護給付費等実態統計 月報」令和8(2026)年4月審査分(令和7年度の年報で基準に用いられている月)の第5表・第7表・第20表。政府統計の総合窓口(e-Stat)が公開しているCSVを取得し、機械的に集計しました。推計や補正は行っていません
  • 食費・居住費:厚生労働省「介護保険最新情報 Vol.1506」(令和8年5月29日)に示された、令和8年8月からの基準費用額。月額は、厚生労働省の資料と同じく1か月を30.4日として換算しています
  • 有料老人ホーム・サ高住の月額費用:厚生労働省の検討会資料(2025年10月3日)に掲載された、国の調査研究(令和6年度)の平均値
  • グループホームの家賃・食費など:独立行政法人福祉医療機構の調査(2023年度決算、同機構の融資先1,969施設)
  • おむつ代の扱い:厚生労働省の通知(老企第54号)と、介護サービスの運営基準(省令)
この記事の「費用」について

統計の「費用額」は、介護保険から支払われる額・公費・利用者の自己負担をすべて合わせた金額です。利用者が実際に支払う自己負担は、このうち原則1割(一定以上の所得がある方は2割または3割)です。本記事の「1割負担の目安」は、費用額を10で割った参考値です。

有料老人ホームなどの入居一時金は、全国を比較できる公的統計がないため、本調査では扱っていません。おむつ代・理美容代・日用品費なども、施設が定める実費のため金額は掲載していません。

調査結果

結果1:介護の種類別 1か月の費用(全国)

介護保険のサービス全26種類について、1か月の費用をまとめました。入所・入居のサービスは、受給者1人あたりの費用で、要介護1〜5の受給者全体の平均です(要介護度別の金額は結果2)。在宅のサービスは、原則として1日あたりの費用に1か月の平均利用日数を掛けて算出しました。平均利用日数は、統計の「実日数」を「件数」(利用者が事業所ごとに1か月に1件ずつ請求される単位)で割った値です。算出方法は、表の金額の下に記載しています。

区分介護の種類
(統計上のサービス名)
特徴対象の要介護度1か月の費用
(全体)
1割負担
の目安
入所・入居地域密着型特定施設(定員29人以下)地域密着型特定施設入居者生活介護(短期利用以外)入居定員29人以下の介護専用の有料老人ホームなどで、そのホームが提供する介護を受ける要介護1〜5233,600円受給者1人あたり(要介護1〜5の平均)23,360円
介護付き有料老人ホームなど特定施設入居者生活介護(短期利用以外)有料老人ホームなどに入居し、そのホームが提供する介護を受ける要介護1〜5
(要支援1・2は介護予防のサービス)
235,400円受給者1人あたり(要介護1〜5の平均)23,540円
グループホーム認知症対応型共同生活介護(短期利用以外)認知症の方が、共同生活を送る住居で介護と機能訓練を受ける要支援2〜要介護5
(認知症の方)
306,800円受給者1人あたり(要介護1〜5の平均)30,680円
特別養護老人ホーム(特養)介護福祉施設サービス入所して、入浴・排せつ・食事などの介護や機能訓練、健康管理を受ける生活の場(定員30人以上)原則 要介護3〜5
(要介護1・2は特例)
316,500円受給者1人あたり(要介護1〜5の平均)31,650円
地域密着型特養(定員29人以下)地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護定員29人以下の小規模な特養原則 要介護3〜5
(要介護1・2は特例)
340,100円受給者1人あたり(要介護1〜5の平均)34,010円
介護老人保健施設(老健)介護保健施設サービス自宅での生活に戻ることを目指し、看護・医学的管理のもとで介護と機能訓練を受ける要介護1〜5342,600円受給者1人あたり(要介護1〜5の平均)34,260円
介護医療院介護医療院サービス長期にわたる療養が必要な方が、療養上の管理・看護・医学的管理のもとで介護を受ける要介護1〜5413,800円受給者1人あたり(要介護1〜5の平均)41,380円
在宅居宅療養管理指導居宅療養管理指導医師・歯科医師・薬剤師などが、療養上の管理や指導を行う要支援1〜要介護58,422円1日3,828円 × 月平均2.2日842円
ケアマネジャー(居宅介護支援)居宅介護支援介護サービスの計画(ケアプラン)を作り、サービス事業者との連絡・調整を行う要介護1〜5
(要支援1・2は介護予防支援)
15,581円1件(1か月の請求)あたり1,558円
福祉用具の貸与福祉用具貸与日常生活の自立を助ける福祉用具を借りる要支援1〜要介護515,606円1件(1か月の請求)あたり1,561円
訪問リハビリ訪問リハビリテーション自宅で、心身の機能の維持回復のための理学療法・作業療法などのリハビリを行う要支援1〜要介護542,038円1日7,375円 × 月平均5.7日4,204円
訪問看護訪問看護看護師などが自宅を訪問し、療養上の世話や診療の補助を行う要支援1〜要介護548,701円1日7,855円 × 月平均6.2日4,870円
夜間対応型訪問介護夜間対応型訪問介護夜間に、定期的な巡回訪問や随時の通報により介護を行う要介護1〜549,000円受給者1人あたり4,900円
訪問入浴訪問入浴介護自宅を訪問し、浴槽を持ち込んで入浴の介護を行う要支援1〜要介護572,700円受給者1人あたり7,270円
デイケア(通所リハビリ)通所リハビリテーション老健・病院などに通い、心身の機能の維持回復のためのリハビリを受ける要支援1〜要介護578,457円1日9,686円 × 月平均8.1日7,846円
デイサービス(地域密着型)地域密着型通所介護利用定員が少ないデイサービス要介護1〜5
(要支援1・2は市町村の総合事業)
78,535円1日9,027円 × 月平均8.7日7,854円
デイサービス(通所介護)通所介護施設に通い、入浴・排せつ・食事などの介護と機能訓練を受ける要介護1〜5
(要支援1・2は市町村の総合事業)
88,830円1日8,883円 × 月平均10.0日8,883円
ヘルパー(訪問介護)訪問介護介護福祉士などが自宅を訪問し、入浴・排せつ・食事などの介護や日常生活の世話を行う要介護1〜5
(要支援1・2は市町村の総合事業)
90,890円1日6,183円 × 月平均14.7日9,089円
ショートステイ(医療型・老健)短期入所療養介護(老健)老健に短期間入所し、看護・医学的管理のもとで介護や機能訓練を受ける要支援1〜要介護5101,200円受給者1人あたり10,120円
ショートステイ(医療型・介護医療院)短期入所療養介護(医療院)介護医療院に短期間入所し、看護・医学的管理のもとで介護や機能訓練を受ける要支援1〜要介護5103,700円受給者1人あたり10,370円
ショートステイ短期入所生活介護施設に短期間入所し、介護と機能訓練を受ける要支援1〜要介護5119,863円1日9,906円 × 月平均12.1日11,986円
認知症対応型デイサービス認知症対応型通所介護認知症の方が施設に通い、介護と機能訓練を受ける要支援1〜要介護5
(認知症の方)
134,100円受給者1人あたり13,410円
ショートステイ(医療型・病院等)短期入所療養介護(病院等)病院・診療所に短期間入所し、看護・医学的管理のもとで介護や機能訓練を受ける要支援1〜要介護5160,800円受給者1人あたり16,080円
定期巡回・随時対応型訪問介護看護定期巡回・随時対応型訪問介護看護定期的な巡回訪問や随時の通報により、介護と看護を一体的に行う要介護1〜5185,500円受給者1人あたり18,550円
小規模多機能型居宅介護小規模多機能型居宅介護(短期利用以外)同じ事業所の「通い」「訪問」「泊まり」を組み合わせて利用する要支援1〜要介護5234,528円1日10,470円 × 月平均22.4日23,453円
看護小規模多機能型居宅介護複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護・短期利用以外)小規模多機能型居宅介護と訪問看護を組み合わせて提供する要介護1〜5305,900円受給者1人あたり30,590円

金額の差は、受けられる医療・看護の体制、対象となる方の状態、住まいを兼ねるかどうかといったサービス内容の違いによるものです。高いほど良い、安いほど劣るというものではありません。本人の状態や暮らし方に合ったサービスを選ぶことが大切です。

※ 対象の要介護度は、介護保険法と同法施行規則の定めによります。表の費用は要介護1〜5の方が利用する介護サービスの金額で、要支援の方が利用する介護予防のサービスは含みません。特養の要介護1・2の方は、自宅での生活が困難な事情がある場合に限り入所できます。

※ 在宅の金額は、原則として四捨五入した1日あたりの費用と平均利用日数を掛けた値です。統計の件数は千件単位で公表されており、件数の少ないサービスでは誤差が大きくなるため、件数が10万件未満のサービスは受給者1人あたりの費用を示しています。福祉用具の貸与とケアマネジャー(居宅介護支援)は、利用日数で数えるサービスではないため、1件(1か月の請求)あたりの費用です。結果2・結果6の在宅サービスの金額は、受給者1人あたり(複数の事業所の利用を合算)の値のため、結果1とは一致しない場合があります。

※ 短期利用(介護付き有料老人ホーム・グループホームなどの短期間の利用)は表に含めていません。福祉用具の購入(特定福祉用具販売)は、利用者がいったん全額を支払い後から払い戻しを受ける仕組みのため、この統計には含まれません。

「介護付き有料老人ホーム」は、統計上は「特定施設入居者生活介護」に含まれます。この区分には、介護付き有料老人ホームのほか、特定施設の指定を受けたケアハウスやサービス付き高齢者向け住宅も含まれます。

結果2:要介護度別の1か月の費用

同じ種類のサービスでも、要介護度が上がるほど費用は高くなります。特に在宅のサービスは、利用する量が増えるため差が大きく、ヘルパー(訪問介護)は要介護1の44,800円に対し、要介護5では213,800円です。

区分介護の種類要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
入所・入居地域密着型特定施設(定員29人以下)192,600円216,500円240,700円261,000円282,700円
介護付き有料老人ホームなど197,500円219,900円243,100円265,000円288,100円
グループホーム289,900円303,800円312,100円316,200円323,300円
特別養護老人ホーム(特養)248,900円274,900円295,900円318,800円341,400円
地域密着型特養(定員29人以下)264,700円291,000円315,100円341,100円365,700円
介護老人保健施設(老健)297,000円318,000円342,000円361,900円377,900円
介護医療院266,300円303,300円373,800円415,000円443,100円
在宅居宅療養管理指導13,800円14,200円14,800円15,200円15,900円
ケアマネジャー(居宅介護支援)14,400円14,400円17,800円17,800円17,800円
福祉用具の貸与8,900円15,000円17,800円20,900円24,600円
訪問リハビリ40,200円41,600円42,700円42,000円42,400円
訪問看護41,300円46,800円49,500円53,700円67,800円
夜間対応型訪問介護34,700円34,400円46,900円56,500円68,300円
訪問入浴58,900円63,000円67,500円69,700円77,500円
デイケア(通所リハビリ)62,100円75,900円95,500円109,400円121,100円
デイサービス(地域密着型)59,000円75,500円110,300円131,000円157,900円
デイサービス(通所介護)70,000円88,000円117,000円134,200円149,800円
ヘルパー(訪問介護)44,800円63,100円114,700円161,800円213,800円
ショートステイ(医療型・老健)71,400円84,300円106,900円120,400円130,500円
ショートステイ(医療型・介護医療院)53,800円75,200円107,500円119,500円134,800円
ショートステイ68,000円90,000円146,000円167,000円163,300円
認知症対応型デイサービス99,600円122,000円152,900円168,000円180,600円
ショートステイ(医療型・病院等)89,200円101,600円161,100円176,600円216,300円
定期巡回・随時対応型訪問介護看護86,200円135,500円207,700円259,700円312,500円
小規模多機能型居宅介護152,700円211,700円289,100円312,200円341,100円
看護小規模多機能型居宅介護180,000円240,100円317,300円353,400円399,800円

※ 費用はいずれも全体の額(自己負担はこのうち原則1割)。介護の種類と並びは結果1と同じ。在宅は受給者1人あたり(複数の事業所の利用を合算)の値のため、結果1の在宅の金額とは一致しません。

結果3:介護保険以外にかかる費用(食費・居住費・家賃・おむつ代)

介護保険の自己負担のほかに、暮らしにかかる費用が必要です。何が必要かは、介護の種類によって異なります。

区分介護の種類食費(1か月)居住費・家賃など(1か月)おむつ代金額の根拠
入所・入居介護付き有料老人ホーム右の合計に含む家賃・共益費・基本サービス費・食費・光熱水費の合計で平均261,510円実費国の調査研究(2024年)
グループホーム食費 40,382円家賃 46,826円+水道光熱費 15,755円実費福祉医療機構の調査(2023年度)
特養(地域密着型を含む)46,968円27,816〜62,806円かからない(介護保険に含まれる)国の基準費用額
老健・介護医療院46,968円13,285〜62,806円かからない(介護保険に含まれる)国の基準費用額
住宅型有料老人ホーム右の合計に含む同上の合計で平均118,020円実費国の調査研究(2024年)
サービス付き高齢者向け住宅右の合計に含む同上の合計で平均153,952円実費国の調査研究(2024年)
在宅デイサービス実費—実費全国の公的統計なし
ヘルパー(訪問介護)——(自宅での生活費)——
ショートステイ1日1,545円1日915〜2,066円(滞在費)かからない(介護保険に含まれる)国の基準費用額
  • 特養・老健・介護医療院・ショートステイのおむつ代は、介護保険の給付に含まれるため、施設は利用者から受け取ることができません(厚生労働省 老企第54号)。デイサービス・グループホーム・介護付き有料老人ホームなどでは、運営基準でおむつ代を利用者から受け取ることが認められており、実費がかかります。
  • 特養などの食費・居住費は、国の基準費用額で計算した目安です。実際の金額は施設との契約で決まります。所得の低い方には負担を軽くする制度(補足給付)があります。
  • 有料老人ホーム・サ高住の月額費用は、介護・医療サービスの自己負担を除いた総額(家賃+共益費+基本サービス費+食費・光熱水費)の平均です。
  • グループホームの金額は、福祉医療機構の融資先(社会福祉法人が73.2%)を対象とした調査の平均で、全国すべての事業所の平均ではありません。

結果4:種類別 1か月の合計の目安(自己負担1割の場合)

結果1の自己負担(1割)と、結果3の介護保険以外の費用を合わせた、1か月の目安です。

区分介護の種類1か月の合計の目安内訳
入所・入居老健94,513〜144,034円介護サービス費34,260円+食費+居住費(多床室〜ユニット型個室)
介護医療院101,633〜151,154円介護サービス費41,380円+食費+居住費(多床室〜ユニット型個室)
特養106,434〜141,424円介護サービス費31,650円+食費+居住費(多床室〜ユニット型個室)
住宅型有料老人ホーム118,020円+介護サービス費月額費用の平均に、利用した在宅サービス(ヘルパーなど)の自己負担が加わる
グループホーム約133,643円+おむつ代など介護サービス費30,680円+家賃・水道光熱費・食費102,963円
サービス付き高齢者向け住宅153,952円+介護サービス費同上
介護付き有料老人ホーム約285,050円+おむつ代など介護サービス費23,540円+月額費用の平均261,510円
在宅デイサービス8,883円+食費・おむつ代など月平均10.0日の利用。食費は施設が定める実費
ヘルパー(訪問介護)9,089円介護サービス費のみ(月平均14.7日の利用)
ショートステイ(1日)3,451〜4,602円介護サービス費991円+食費+滞在費(多床室〜ユニット型個室)

※ 介護サービス費は要介護1〜5の平均の1割、居住費は国の基準費用額で計算しています。介護付き有料老人ホームとグループホームは、統計の年度と出典が異なる数値を合わせた目安です。理美容代・日用品費などの実費は含みません。

結果5:1日あたりの料金(ショートステイ・デイサービス・ヘルパー)

利用した日数あたりで見ると、次のとおりです(費用額を実日数で割って算出)。

区分介護の種類1日あたりの費用(全体)1割負担の目安
在宅ヘルパー(訪問介護)6,183円618円
デイサービス(通所介護)8,883円888円
ショートステイ(短期入所生活介護)9,906円991円

ヘルパーは「訪問を受けた日」1日あたりの金額で、1回あたりではありません。ショートステイの食費・滞在費を含めた1日の目安は、結果4のとおりです。

結果6:都道府県別の違い

介護サービス全体の1人あたり費用を都道府県別に見ると、最も高いのは鳥取県、最も低いのは埼玉県で、差は36,700円でした。全国平均と、上位3位・下位3位は次のとおりです。

順位都道府県介護サービス
全体
入所・入居在宅
介護付き有料などグループホーム特養デイサービスヘルパー
—全国平均208,400円235,400円306,800円316,500円93,900円97,400円
1位鳥取県233,600円226,000円298,700円327,600円108,800円90,800円
2位福井県222,400円223,100円300,500円309,800円94,900円73,000円
3位新潟県221,900円222,900円300,000円314,800円85,400円73,900円
45位京都府199,200円238,600円314,600円320,800円80,000円84,300円
45位北海道199,200円217,500円300,700円308,000円64,700円94,300円
47位埼玉県196,900円234,900円310,600円317,800円94,600円81,700円

※ 順位は「介護サービス全体」の金額が高い順(47都道府県中)。京都府と北海道は同額のため同順位。費用はいずれも全体の額(自己負担はこのうち原則1割)。

分析

分析1:施設に入る人が多い県ほど、費用が高い傾向がある

結果6のとおり、介護サービス全体の1人あたり費用は、最も高い鳥取県と最も低い埼玉県で36,700円の差があります。その理由を探るため、介護保険を利用した人のうち入所・入居系のサービス(特養・老健・介護医療院・介護付き有料老人ホーム・グループホームなど)を利用した人の割合を、都道府県ごとに集計しました(年間実受給者数による)。

費用の順位都道府県介護サービス全体
(1人あたり)
入所・入居系の
利用者の割合
割合の順位
—全国平均208,400円35.9%—
1位鳥取県233,600円46.2%1位
2位福井県222,400円42.0%6位
3位新潟県221,900円44.3%4位
25位大阪府210,800円26.5%47位
40位東京都204,600円35.8%28位

費用が高い上位3県は、いずれも入所・入居系の利用者の割合が全国平均(35.9%)を大きく上回り、鳥取県は割合でも全国1位でした。47都道府県で見ると、両者の相関係数は0.41で、中程度の正の関係があります。施設サービスは在宅サービスより1人あたりの費用が高いため(結果1)、施設に入る人が多い地域ほど、平均の費用が上がると考えられます。

ただし、それだけでは説明できない地域もあります。

  • 東京都は、特養の1人あたり費用が333,400円(全国316,500円)、グループホームが325,100円(全国306,800円)と、サービスごとの単価は全国より高い一方、入所・入居系の割合が低く、全体では40位にとどまります。介護報酬の1単位あたりの単価は地域によって異なり(統計の用語の定義に明記)、サービスごとの単価が高いのはその影響と考えられますが、総額への影響は、サービスの組み合わせの違いほど大きくないと推察されます。
  • 大阪府は、入所・入居系の割合が全国47位と最も低いにもかかわらず、費用は25位です。訪問介護(ヘルパー)の1人あたり費用が135,900円と全国(97,400円)の約1.4倍で、在宅サービスを多く使うことで平均が押し上げられていると推察されます。

※ 相関は因果関係を示すものではありません。要介護度の構成など、ほかの要因も影響している可能性があります。

分析2:自分に置き換えると、いくら備えておけばよいか

介護は、いつまで続くかが分からないことが、備えを難しくします。生命保険文化センターの調査(2024年度)によると、介護を経験した人の介護期間は平均55.0か月(4年7か月)で、住宅改修や介護用ベッドの購入などの一時費用は平均47.2万円でした。この期間と一時費用を、本記事で算出した1か月の目安に当てはめると、介護にかかる費用の総額は次のとおりです。

区分介護の形1か月の目安総額の目安
(55.0か月+一時費用)
1か月の目安の根拠
入所・入居特養(多床室)106,434円6,325,870円
(約632.6万円)
結果4の目安
グループホーム133,643円7,822,365円
(約782.2万円)
結果4の目安(おむつ代などは含まない)
特養(ユニット型個室)141,424円8,250,320円
(約825.0万円)
結果4の目安
介護付き有料老人ホーム285,050円16,149,750円
(約1,615.0万円)
結果4の目安(おむつ代などは含まない)
在宅在宅介護(同調査の在宅平均)53,000円3,387,000円
(約338.7万円)
生命保険文化センター調査の在宅の月額平均

在宅なら約339万円、施設なら約633万〜1,615万円が、介護にかかる費用の総額の目安です。ここから、年金など介護期間中の収入でまかなえる分を差し引いた額が、貯蓄などで備えておきたい金額になります。施設に入る場合は家賃や食費がこの費用に含まれる一方、在宅の場合は普段の生活費に上乗せになる点にも注意が必要です。

  • 介護期間は平均であり、同調査では4年を超えて介護した人が約4割でした。長引いた場合に備え、余裕をもった見積もりが安心です。
  • 自己負担が2割・3割の方は、介護サービス費の部分が増えます。一方、1か月の自己負担には上限があり(高額介護サービス費)、所得の低い方には食費・居住費の軽減(補足給付)もあります。
  • 介護期間と一時費用は民間の調査、1か月の目安は公的統計と国の基準額による試算で、出典と時点が異なる数値を組み合わせています。

この調査から見えること

今回の集計から、3つのことが確認できました。

ひとつは、介護の費用は「どこで介護を受けるか」で大きく変わることです。自己負担1割に食費・居住費などを加えた1か月の目安は、特養で10.6万円〜14.1万円、介護付き有料老人ホームでは約28.5万円と、2倍以上の開きがあります。都道府県ごとの費用の差も、施設に入る人の多さと関係していました。

もうひとつは、要介護度が上がるほど費用が増えることです。特に在宅のサービスは利用量が増えるため、ヘルパーでは要介護1と要介護5で約4.8倍の差がありました。要介護度が上がることは、本人の暮らしが変わるだけでなく、本人と家族の費用負担が大きく増えることでもあります。

そして、備えておきたい金額は、在宅でも数百万円、施設なら1,000万円を超える場合もあることです。介護が平均で4年7か月続くことを踏まえると、早い段階から具体的な金額で考えておくことが大切です。

要介護度を上げないために、日頃のケアが大切

だからこそ大切なのが、要介護度を上げないための日頃のケアです。

衰弱や転倒、病気の悪化を防ぐには、日々の様子の変化に早く気づき、必要なケアや受診につなげることが第一歩になります。また、65歳以上の死因で肺炎と誤嚥性肺炎を合わせると、脳血管疾患を上回ります(高齢者の死亡要因の動向調査)。呼吸や飲み込みの変化に気づくことも、重い病気を避けるうえで欠かせません。

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アイメトリカの見守りアプリ「AiTone」は、スマートフォンを首元に10秒あてるだけで呼吸音をAIが解析し、目視では気づけない体調変化のサインを可視化する、介護施設・介護事業者向けの補助ツールです。本人の暮らしを守り、費用の面からも家族の負担を抑えるために、重度化を防ぐ「日々の気づき」を支えていきます。

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